歯ぎしりのお話
2016年9月15日
こんにちは。
四国中央市坂田歯科医院 児山です。
すっかり秋らしくなってきましたね。
それにしても・・
今年の夏は暑かった・・
まだまだ蒸し暑い日が続きそうなので
早く爽やかに涼しくなってほしいなぁ~
さて、今回は、
寝苦しい夜には特に気になる
歯ぎしりのお話をします。
歯ぎしりって気になりますよね。
歯ぎしりをしている本人は
気づいていないことが多いのですが
周囲は大変な迷惑を被っています・・・
“歯ぎしりしてたって
本人は自覚がないし
仕方ないじゃん“と思われがちです。
が・・・
その無意識下の歯ぎしりが
本人の歯や顎に
ダメージを与えてしまっているのです。
えぇ~!!って思いますよね。
歯ぎしりと言っても
夜眠っているときにギリギリする
はた迷惑なものばかりではありません。
まず、
周囲にも迷惑な
ギリギリするタイプの歯ぎしり・・
次にカチカチと歯を合わせるタイプ
もうひとつ・・
歯をぐぅ~っと噛み締めるタイプ
この3つの種類があります。
この3つを総称して
ブラキシズムと言います。
この3つに共通していることは
全てが無意識に行われていることです。
睡眠中はもちろんのこと
起きているときでも
「噛みしめ」という癖として
行なわれているのです。
無意識に行われているということは
自覚がないということです。
まず自己チェックをしてみましょう。
~家族に歯ぎしりを指摘された。~
自分ではわからない睡眠中の歯ぎしりは
ご家族の証言で確認できます。
~朝起きると顎が疲れた感じがする。~
睡眠中にグ~っとかみしめている可能性があります。
顎を動かす咬筋や側頭筋が
強い力で収縮した状態が持続することで
疲れてしまっているのです。
~歯がすり減り、溝がなく光沢がある。~
こんなふうに歯の表面が
削れてしまって
ツヤツヤしています。
~就寝前より朝の方が知覚過敏が強い。~
就寝中の歯ぎしりで歯が擦れて
起きると同時に知覚過敏の症状が
出ている可能性があります。
~歯が欠けやすかったり、折れやすい。~
日常生活での噛む力以上に
睡眠中に大きな力が歯にかかっている
可能性があります。
~治療した歯の補綴物がよく壊れる。~
詰め物や被せ物、インプラントなどに
耐久性を超える強い力が
繰り返しかかると壊れやすくなります。
~舌や頬の内側に圧痕がある。~
舌の周囲や奥歯の周りの頬の粘膜に
歯の押しつけた痕ができていませんか?
~下の顎の内側に骨隆起がある。
噛みしめ癖があると
下顎の骨が変形して
盛り上がってくることがあります。
(お口の中が狭くなりますが
骨隆起自体は特に害はありません)
いかがですか?
当てはまる症状がありましたか?
次にこれらの症状が
歯と顎に与える悪影響について
お話を進めます。
無意識下のブラキシズムは
想像以上に強い力です。
その強い力を長年受け止めている歯は
摩耗してしまったり
折れてしまったりしてしまいます。
歯に起こる
くさび状欠損という症状をご存知ですか?
以前は歯ブラシの当て方が悪かったり
歯ブラシが硬すぎるから
歯が削れてしまうと思われていた症状です。
最近はこのくさび状欠損が起こる
原因がブラキシズムであることが
わかりました。
歯ぎしりや噛み締めなどの強い力が
繰り返し行われていると
力が集中しやすい歯の根元の
エナメル質が少しずつチップして
欠けてきます。
その結果歯の根元がくさび状に
切り込むように失われてしまうのです
くさび状欠損が起こって
エナメル質が失われた歯は
象牙質がむき出しになります。
そのため刺激が神経に伝わりやすくなります。
細菌が歯の内部にまで入りやすくなります。
つまり、
むし歯や知覚過敏を引き起こしてしまうのです。
くさび状欠損がひどくなると
歯にヒビが入ったり、
欠けたり、折れてしまうことも
あるのです。
ブラキシズムが原因で
折れてしまった歯は
抜かないといけない場合が多く
歯を失ってしまう原因の一つです。
また
過剰な力が持続的に加わることで
歯や歯の周囲の組織にも影響を
与えてしまっています。
歯が圧迫されることにより
歯の周囲の歯槽骨が破壊され
歯が倒れてしまうこともあるのです。
咬み合わせが変わってしまい
噛みにくくなるという症状が起こります。
本当に
無意識下で噛み締める力って
怖いでしょ・・・
思い当たる症状がある方は
早めに歯科を受診しましょう。
歯ぎしりから歯や顎を守るために
歯科による対策が必要です。
次回は歯ぎしりから歯を守る
歯科での治療についてお話をします。
9月はお月見・・・
心穏やかにお月様を愛でてみたいですね。
その後良い睡眠を・・・・・