タバコのリスク
2016年2月12日
こんにちは。
四国中央市 坂田歯科医院 児山です。
ようやく春の陽射しが届き始めましたね。
2月14日から松山市で“椿祭り”が始まります。
愛媛では“お椿さん頃はとても寒い”と言われています。
今年も寒いのでしょうか?
寒いと言えば
“猫バンバン”をご存知ですか?
駐車中の車の下で暖を取っている猫を
発進前に追い出す(?)
猫に優しいバンバンだそうです。
方法はボンネットや屋根部分を
“バンバン”と叩く。これだけです。
こうすることで
休憩中の猫に
“車が動くよ~。よけないと危ないよ~。”と
知らせて
猫ちゃんを事故から守ってあげる!
というコンセプトらしいです。
医院の駐車場でも
野良猫ちゃんたちが
我が物顔で
のんびりしてます。
今日から実行してみましょうね。
さて
今回は前回に引き続き
“タバコのリスクについて”
お話をします。
前回、副流煙による
受動喫煙について
少し触れました。
そう、
副流煙による
受動喫煙で
子供の歯ぐきが
ヤニ色に着色してしまう、
という 怖い話です。
副流煙って何でしょうか?
副流煙とは
火のついたタバコから
でる煙のことです。
喫煙者がフィルターを通して
吸う煙のことは
主流煙と言います。
同じ室内では
タバコを吸っている本人も、
傍にいるタバコを吸わない人も
タバコの煙を吸っているのです。
タバコを吸わない人が
タバコの煙を吸ってしまうことを
受動喫煙と言います。
受動喫煙している人が
吸う煙が副流煙です。
副流煙は主流煙よりも
有害物質が多く含まれています。
つまり
タバコを吸わない人の方が
タバコを吸っているより
より多くの有害物質を
吸っていることになります。
前回
タバコの有害物質で
むし歯菌もパワーアップすることを
お伝えしましたね。
有害物質をより多く含んでいる
副流煙を吸ってしまうと
むし歯菌のパワーは
ますます強くなってしまいます。
タバコを吸う家庭のお子さんは
むし歯菌が多いというデータがあります。
喫煙者のいる家庭の子供が
むし歯になるリスクは
喫煙者のいない家庭に対し
母親が喫煙者の場合 2.3倍
父親が喫煙者の場合は 1.5倍
というデータがあります。
なぜ
母親の喫煙の影響のほうが
大きいのでしょうか?
それは、
子供と接する時間が長い傾向にあること、
母乳を通じて
タバコの有害物質が子供に
与えられてしまったということが
考えられます。
以前
“むし歯菌はうつる”という
お話をさせていただきました。
喫煙する両親のお口の中で
タバコの有害物質によって
パワーアップしたむし歯菌が
子供に移ってしまった可能性があります。
また
受動喫煙によって
免疫力が落ちてしまった
子供が、早い時期に
むし歯菌に感染してしまった
可能性も考えられます。
もちろん
むし歯以外にも
歯周病に関しても
大人同様の影響があります。
受動喫煙してしまっている
子供は
歯と歯ぐきの付着が
ゆるくなっています。
そこに歯周病菌が
つきやすくなります。
また
歯ぐきの着色も見られます。
歯ぐきの細胞はタバコに敏感で
受動喫煙によって
色素沈着してしまうのです。
肺や腸の粘膜も敏感で
色素沈着しやすいのですが
直接見ることができません。
歯ぐきは受動喫煙の影響を
目で確認できる粘膜です。
タバコの害が
周囲の人にも
悪い影響を与えてしまっていることが
お解りいただけたかと思います。
さあ、禁煙 🚭 です。
禁煙に成功しても
歯についてしまったヤニ、
黒く着色してしまった歯ぐき・・・
“どうすれば綺麗になるの?”
“タバコを吸っていなかった頃の
健康的な
お口に戻りたい・・“
落ち込んでいる
そんな人に朗報です!!
ヤニは歯科医院で取れます。
歯ぐきもピンク色に戻せます。
ヤニ取りは
お口全体のお掃除をすればいいのです。

こんなにキレイに取れます。 ✨
黒く着色してしまった歯ぐきには
ガムブリーチ(ガムピーリング)
という方法があります。
(但し、保険は効きません。)
着色した歯ぐきに薬剤を塗ります。
数日後・・
歯ぐきがペロ~ンと
剥がれ落ち
下から
キレイな歯ぐきが
現れます。
詳しくは
歯科医院で・・
大切なことは
キレイになった後は
タバコを吸わないことです。
タバコを吸い続けると
またヤニと着色に悩まされます。
もうひとつ、朗報が・・
禁煙すると
むし歯菌や歯周病菌が
とたんに
パワーダウンします。
これらの菌が弱まることで
体の免疫力や修復力も徐々に回復します。
ということは
歯科の治療の条件が格段に良くなりますので
傷の治りが早まり、
再発リスクも少なくなるのです。
そして
周りの人に受動喫煙させてしまう
心配もない。
遠慮がちに喫煙スペースを確保する
必要もなくなるのです。
いいことずくめでしょ !(^^)!
禁煙が成功するまでは
ストレスが溜まって
大変かもしれません。
でも
ご自分とご家族
周囲の人みんなが
健康的な生活ができるのなら
頑張ってみませんか?
きっと禁煙できますよね。
大切な人を
タバコの害から
守りましょう。
次回は
“妊婦さんのお口の健康”について
お話をしますね。
歯科治療中のお食事
2015年12月28日
こんにちは。
四国中央市 坂田歯科医院 児山です。
いよいよ今年もおしせまってきましたね。
どことなく気忙しい感じがします。
大掃除もしないといけないし
年賀状を書いたり、年末年始の買い物etc.
しなくちゃならないことがいっぱい・・・
わかっているけどなかなか・・・ねぇ(笑)
さて年末年始は歯科医院も休診です。
治療中の患者さんにとって
心配なことと言えば
“治療中の歯に何かトラブルがあった時どうすればいい??“
ということだと思います。
医院としては
年末年始のお休みの間に
治療中の歯に
なるべく痛みが出ないように
仮の歯がはずれてしまわないようにと
ご迷惑をおかけしないようにと
治療を進めています。
でも、お休みの間に
緊急事態が発生したら・・・
まず
かかりつけの医院に連絡をして下さい。
運よく(?)
処置してもらえるかも・・・
対処法をあらかじめ
きいておくのも良いかもしれません。
できるだけ
何も起こらないことを
祈ります。
前置きはこのくらいで
今回は
“歯科治療中のお食事について”
お話します。
最近の歯科治療は
“できるだけ抜かない”ために
高度な複雑な治療をしています。
そのため、治療期間が長くなってしまうことがあります。
治療の間、患者さんに
お食事の面で
ご不便をおかけしています。
できるだけ歯に負担のかからないものを
召し上がっていただくと良いのですが
“おかゆ”ばかりでは
栄養面が心配です。
かと言って
何でも好きなものを普段と同じように
召し上がっていただくと
治療中の歯に
大きな負担をかけてしまうことがあります。
普段だと
“よく噛んで。しっかり噛んで。”
“噛めば噛むほど脳に良い。”
“満腹中枢が働き肥満防止になる。”
と言われますが
歯科の治療中には
“強く噛まないで欲しい期間があります。”
それは
外科治療を受けた時。(1週間程度)
仮歯が入っている時。
新しい入れ歯を調整している時。
インプラント体が入ってから1か月。
このような時期には
強く噛むことによって
せっかくの治療が上手く進まなくなってしまうことが
あるのです。
強く噛まないですむように
“やさしい食事”を
していただきたいのです。
例えば
~外科治療を受けた後~
腫れやしみる症状がある傷がある場合には
1週間くらい
生醤油・酸味の強いもの・香辛料は避けて下さい。
だんだんと傷がふさがってきますので
それまでは、具が小さく
スプーンで簡単につぶせる柔らかさの物が
お薦めです。
~仮歯が入っている時~
仮歯は治療途中の歯につけます。
必要な時に外せるように
接着力の弱い接着剤で留めています。
調整しやすいように
軟らかいプラスチックでできていますので、
強い力がかかると取れてしまったり
割れてしまうことがあります。
引っ張ってかじるもの
スルメ、焼き鳥、フランスパンは避けてください。
また、
お煎餅、飴などの硬いもの
ガム、グミ、キャラメル、お餅なども
歯にくっついてしまい
仮歯が取れてしまう原因になりますので
気を付けてください。
~新しい入れ歯の調整中~
早く慣れようと無理をしてはいけません。
普段同様のお食事は少しの間辛抱して下さい。
“軟らかい物から始めて少しずつ慣れる。”
というのが理想です。
無理すると歯ぐきを傷つけてしまいます。
“おかゆやスプーンでつぶせる位の柔らかさの物”
から始めてください。
~インプラント体が入って1か月~
この期間は
インプラント体と骨が結合し始める
最もデリケートな時期です。
可能な限りそっとしておいてほしいのです。
噛む力によって
インプラント体と骨の結合を
邪魔してしまうのです。
できるだけ噛まずに済むような
スープ、軟らかく煮たうどん、
舌でつぶせるような煮物などを
取るように心がけてください。
慎重に・・
でも
軟らかい食べ物ばかりでは
栄養が偏ってしまいますよね。
体調が悪くなったり
口内炎、便秘など
どうしましょう・・・。
何を作ればよいのでしょう??
手間がかかる調理は大変です。
そこで便利なものがあります。
やわらかさを4区分から選べる
レトルト食品の
「ユニバーサルデザインフード」。
美味しく薄味で彩りも綺麗です。
全身疾患がある方にもおすすめです。
スーパーやドラッグストア、ネット販売で
入手できます。

レトルト食品が嫌いな
“手作り派”の方は
かぼちゃやじゃがいものマッシュ、
ほうれん草のペーストを作って冷凍しておき
必要な時に牛乳や豆乳でのばせば
簡単スープの出来上がり。
野菜が摂れて便利です。
ゼリー飲料で必要な栄養素を摂ることも
できますが、
チューブで吸うタイプのものは
傷があるときは控えて下さい。
圧がかかって傷が開いてしまうことがあります。
美味しく噛めるその時のために
よりスムーズな治療のために
ご不便をおかけいたしますが
ご協力をお願いいたします。
それでは良い年末年始をお過ごしください。
来年もよろしくお願いいたします。
もし スポーツ中に口や顎にケガをしてしまったら
2015年12月18日
こんにちは (^-^)
四国中央市 坂田歯科医院 児山です。
前回のスポーツ用のマウスガードの話はいかがでしたか?
今回は
“もし、スポーツ中に口や顎に怪我をしてしまったら”
についてお話をしますね。
医院にも時々
スポーツ中に怪我をしてしまった患者さんが来院されます。
ぶつかって唇や口の中を切ってしまったり
歯が欠けたり折れてしまった方も来院されます。
身体も心も傷ついていて痛々しい・・・です。😢
もしも・・
スポーツ中に人や物にぶつかって
歯の怪我をしてしまったら
とっさにどうすればいいのでしょうか?
まず
頭痛やめまい吐き気、ボーっとするなどの症状がないか確認します。
これらの症状がある場合には脳震盪の可能性があるので
揺すらずにしばらく休ませて
救急外来に行きましょう。
意識がない場合は急いで
救急車を呼びましょう。
脳震盪を起こした日は、歯に怪我をしている場合でも
まず病院を受診し、検査をしてから
歯科を受診してください。
当日は安静にすることをお勧めします。
“歯が抜けてしまったときはどうするの~”って
ご心配なく・・・
今から対処法をお話します。
脳震盪の症状がなく、ぶつかった衝撃で
“歯が抜けてしまった”ときは
急げば抜けた歯を戻せるかもしれません。
歯科医院に連絡し緊急受診して下さい。
抜けた歯は・・
- 汚れを軽く落とす程度にサッと洗います(20秒以内)組織を洗い流してはいけません。
- 歯の根っこに付いた薄いピンク色の組織が大事です。
2.抜けた歯を乾かさないようにして下さい。
ティッシュペーパーに包んではダメです。
乾燥してしまいます。
直ぐに清潔な牛乳につけて保存するのが
良い方法ですが
手元に牛乳がないときは
飲み込まないように注意して
本人の下の歯と唇の間に挟んで
保存してください。
抜けてしまった歯を保存する救急保存液があります。
再植しやすい状態で24時間程度保存可能です。
先に病院へ行かなければならないときに
救急保存液があると安心です。
商品名は“ティースキーパー「ネオ」”です。
歯科医院で注文するか、ネットで購入可能です。
学校やクラブチームの救急箱に
常備しておくのも良い方法かと思います。
“備えあれば憂いなし” ですね。

使用期限にご注意ください。
3.歯科医院を受診します。
受診が早いほど再植の可能性が高まります。
歯科医院では抜けた歯を元の位置に戻し固定します。
歯が大きく欠けた場合は
カケラを歯にくっつけることができる場合もありますので
カケラも持って行ってくださいね。
うまくいけば元通りになることがあります。
その後、
内部で炎症が起きていないか経過観察をしていきます。
歯を残すため追加の処置が必要になることもありますので
必ず通院して経過をみてもらいましょう。
次にぶつかった衝撃で
“唇が腫れてしまった”ときの対処についてお話しますね。
口をぶつけてしまって、一見何事もないように見える場合でも
歯が軽く脱臼していることがあります。
放っておくと神経が死んでしまって
歯が変色してしまったり
炎症が起きてしまうことがあります。
大丈夫だと放置しないで
早めに歯科を受診して下さい。
また、歯の一部が少し欠けてしまって、
痛みがない場合があります。
欠けたままにしておくとその部分から
ばい菌が神経にはいってしまい
最悪抜歯になることがあります。
歯科医院には欠けてしまった歯と歯を
接着できる優れものの歯科用接着剤もありますので
欠けた歯を捨てないようにして早めに受診しましょう。
その他に
衝撃を受けて顎の骨折の疑いがあるときは
口腔外科を受診してください。
口腔外科がどこにあるかわからないときは
近くの歯科医院に連絡して教えてもらってください。
口や歯、顎にケガをしてしまったとき
一番大切なことは“痛くないから大丈夫!!”と思わずに
必ず病院や歯科を受診することです。
ケガをしてしまって
“キャー 大変!!どうしよう~”って
あたふたしてしまいがちですが
まずは
落ち着いて・・落ち着いて・・
“病院、病院、歯医者、歯医者にいかなくちゃ”
ですよ。
今回のお話はスポーツ中だけでなく
日常生活でも起こりうる歯のケガも
同様の対処でOKですので
ご参考にしてくださいね。
何よりもケガなく健康に
過ごせる日々を送っていただきたいと思います。
では、また次回・・・
次回は
歯科治療中の食事について
お話をしようと思っています。
スポーツ用マウスガード
2015年12月11日
こんにちは。
四国中央市 坂田歯科医院 児山です。
今回から“歯の豆知識”担当になりました。
皆さまの日常生活にお役に立てる歯の豆知識を綴っていきたいと思っています。
よろしくお願いいたします。
さて2015年も残り少なくなってきましたね。
2015年と言えば、ラグビー日本代表の大躍進!!
感動しましたねっ!! 五郎丸選手素敵でしたね。 (^-^)
ラグビーファンも増え、四国中央市も子供向けのラグビー体験教室が開催されました。
ラグビー人口がふえることで、母校の三島高校のラグビー部も
ますます頑張ってくれると期待しています。
ところで、ラグビー選手がお口に様々な色のマウスピースを入れているのを
見たことがありますか?
ちょっと気になりますよね。
赤、青、黒など見るからに強そうで相手を威嚇している感じがします。
“あのマウスピースは何のため?”って思っている方もいらっしゃると思います。
もちろん“歯を守るため”なんですが、それだけじゃないんです。
他にも役割があるんです。
ということで、今回はスポーツ用のマウスピース(ここからはマウスガードと言いますね)
についてお話を進めたいと思います。
ラグビー、サッカー、柔道、空手、野球、ラクロスなど選手同士がぶつかったり、
バットやボールなどの用具と接触しやすいスポーツを
“コンタクトスポーツ”と言います。
学校の部活動でも行われているスポーツも多いですよね。
今、この“コンタクトスポーツ”によるお口や顎の怪我が増えているのです。
練習中や試合中に、口の中を切ったり、歯が折れてしまったり、
ひどいときは顎を骨折してしまうこともあります。
また、ぶつかった衝撃で脳震盪をおこし起き上がれなくなってしまうこともあります。
頭に受けた衝撃で脳が激しく揺れ、脳や脳幹にダメージを受けてしまうと
生命にかかわる非常に危険な状態なってしまいます。怖いですよね。
“脳を守るのはどうすればいいの?”“どこを鍛えればいいの?”
それは、“頭を支えているのは・・首”です。
首がしっかりしてれば脳を守ってくれるのです。
首に力を入れるには奥歯をグッと噛み締めると力が入りますよね。
衝撃を受けたときグッと強く噛むことができると
首に力が入って脳へ伝わる振動が軽減され脳を守ってくれるのです。
“強くかみしめるには?”・・・
そこでマウスガードの登場です。
スポーツ用のマウスガードは衝撃吸収能力の高い材料で作られますので
歯を覆うことでスポーツによる外傷を軽減します。
またマウスガードを入れることで咬み合わせる面積が広がります。
咬み合わせる面積が広がると
“しっかり咬み合わせることができる”→“強くかめる”→
“首がしっかりと固定される”→“首から上の部分が衝撃に耐えられる”
ということになります。
マウスガードはお口や歯だけでなく脳も衝撃から守ってくれるのです。
特に、首の力が弱い成長過程の少年期には
ぜひマウスガードを入れることをお薦めします。
“マウスガードってどこで入手できるの?”って思いますよね。
自分で簡単に作れるものはスポーツ用品販売店にも売っていますが、
歯科医院でも数回の来院で“カスタムメイドのマウスガード”が作れます。
歯科医院では各スポーツ専用のものが作れますし
色も選択できます、咬み合わせの調整もできます。
何よりも“オーダーメイドのピッタリしたマウスガード”が
プロの手で作られるのです。
どのスポーツ用を作りたいか、どんな色にするかは歯科医院でご相談ください。
自分の歯の形、咬み合わせのピッタリした
見るからに強そうな色のものも作れますよ。
コンタクトスポーツをしている皆さま、
かっこいいスポーツ用のマウスガードでお口と脳をガードしましょう。
“目指せ!日本代表”
次回は、
“もしスポーツ中にお口や歯の怪我をしてしまった時どうする?”
について綴りたいと思います。